新築6ヶ月で・・・
“新築6ヶ月で流し台の排水が詰まって床に溢れ出した、どうなっているんだ”とお客様から大変な剣幕でお電話がありました。それは当然と言えます。わずか半年で配管が詰まってしまったのですからね・・・
早速、お宅にお邪魔させていただき、修理作業を開始しました。流し台の側から色々トライしてみましたが全く治る気配がありません。しかし、屋外に回ってタメマスを開けて見て驚きました!
殆どその機能を果たしていなかったのです。なんとマスの中にはびっしりと白い半固形物が詰まっていました。それはパイプの中まで完全に閉塞してしまっていました。
配管のサイズが小さすぎたのが原因だと主張するお客様の言葉を受け入れて、無償で詰まった場所の配管取替え工事をさせていただきました。配管サイズが原因ではないことはわたしには解かっていましたが、あえてその事は伏せておきました。私が施工する際には公団の指定するサイズよりワンサイズ大きい物を使用していますし、詰まったのが台所に直結した部分に限定されていたため、他の原因が容易に想像出来たからです。それから半年後そのお宅から再び電話が入りました。“あのー、また詰まっちゃたんです。どうしてなんでしょうかねー”
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まず、皆さんの配管のサイズについての誤解を解いておきたいと思います。配水管のサイズは流す水量に対して適正なサイズでなければなりません。過大でも過小でもいけませんし、勾配も同様なんです。配管が大きすぎたり勾配が多すぎると水が汚物を搬送できずに詰まりますし、小さすぎたり少なすぎてもやはり詰まってしまうと言う風に、案外デリケートな部分が排水配管にはあります。
なら、今回のケースはどういった原因で何が詰まったのでしょうか?
一番最初の配管の時から私は最良の条件で施工してありました。むしろ取替え工事で条件は悪化してしまったくらいなのです。今の流し台はフィルターやトラップなどが完備していますから、異物を流し込んでの詰まりは殆どなくなって来ています。今の詰まりの主流は油脂類・油、なのです。液体である油がなぜ配管を詰まらせるのでしょうか?いえ、そうです! 油は液体だけではないんです。ラード、バター、グリース、など・・・
このお宅の配管を詰まらせたものもやはり、「あ・ぶ・ら」でした。
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(以下は水道屋さんの想像、及び推測の世界です)
さすがに詰まって行く配管の中を観察した事はありませんので推測するしかありませんが、途中経過的な配管は何度と無く見てきました。そこから想像出来るのは、隠れた洗剤の存在です。化学のほうは苦手なので詳しい事は説明できないんですが、どうやら、油は洗剤と直接混ざると固形化するようです。台所で粗洗いの時にごく僅かに流された油分は、水と混ざらないので流れる途中に水と分離して配管の内面に油膜を張って行きます。
一旦油膜が着きますと次ぎに流れてくる水などでは容易には剥がれません。そこへ次ぎに流れてくる洗剤を含んだ排水(過量に使用した場合)がこの油膜に触れるとこれがごく薄い白い固形膜に変化すると考えられます。そこにパイプなら付着しにくい汚れがつきます。これが第一層となり、あとはこれを繰り返して0.1mm?位の膜が一回に形成されそれが乾燥し固体化しパイプの内径を段々と小さくして行き、やがて閉塞してしまう。まるで人の動脈硬化のコレステロールと同じみたいですね。
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上記の事あくまでも推測の域を出ませんが、これから述べる方法で改善したお宅がありますのでそのいくつかをココで紹介してみたいと思います。
1)フライパンやステーキ皿など油汚れが特にひどい場合はあらかじめペーパータオル等で十分に拭き取る
2)洗剤はスポンジ等に適量含ませて適時使用し、つけ置き洗いなどで桶にむやみに多量入れて使用しない
(洗剤の使用を否定したり制限したりと言う意味では有りません。が環境保護にも有意義なのでは・・・)
3)なるべく汚水の量を減らして使用の最後に十分に(4L位)清水を(寝る前に風呂の残り湯でも・・・)流しておく
4)パイプクリーナー等の薬剤を使用するのであれば、症状のごく軽い初期(少し流れにくくなったカナ?)のうちに使用する。
(市販されているパイプクリーナー剤は、ここで述べている固形物を融解除去する成分なのですが、配管距離が長い部分では全ての部分に行き渡らずに、上方で除去された固形物が下方の未除去部分に引っかかり、逆に完全に詰まってしまい修理を依頼された事があります)
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水道料金が急に高くなったら水漏れチェックしましょう
水道料金の請求が急に上がったら要注意!
目に見えない地中や床下、壁の中での漏水の恐れがあります。ほおっておくと水道料金の無駄のみならず、建物を侵食し莫大な修理費が発生する可能性があります。まずは自分でチェックしてみましょう。水道メーターを開き、シルバー色の回転車を観察します。これは水が流れていれば量に比例して速く回るものです。家の蛇口を全てしめて、回るかどうか確認しましょう。たとえゆっくりでも回れば漏水している可能性が非常に高いですので、専門業者に修理依頼をかけてください。 |
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